La Patata Dolce



メモ『国連の可能性と限界』

以下はTICAD4に際した明石康さんの講演会に出た時のメモです。

日本はTICAD4とG8サミットがあり、政治外交的ビジョンを求められている。
アフリカにおける民族紛争の解決と国連の役割に関して、ルワンダとダルフールの事例から説明したい。
そこから国連の可能性と限界を見て行きたい。
【日本における国連の過大評価】
日本において国連は美化されている。理想的な存在として国連の可能性が過大評価されている。
戦争中から戦後における日本の歴史がそういった国連間を育んだのではないかと考えられます。
戦争中に味わった苦難があった。そしてだからこそ、平和に対する熱意を育ててきた。
外交による平和。相互理解に対する平和である。
憲法の前文と第9条には平和主義と国際主義の気持ちが深く表されている。
日本は1931年から21年間の空白期間があった。
その間、我が国の国連加盟は三度もソ連による拒否権行使によって妨げられてきた。
そして我々は81番目の加盟国となった。
こうした文脈が日本国民の国連への過大な期待があった。

その一方で国連は無力であるという議論もあった。
国連は所詮、国益追求の場なのではないか?

私が思うにその中間なのではないか?
理想主義なほど力はないが、実績はあるのではないか?

我々は国益のため、世界平和のため国連をうまく使用する必要がある。

国連は国際社会で様々な役割を果たしている。
多様な思惑がうごめく国際社会の中での調整の場と言う役割もある。
紛争や災害における人道的な措置を行なう役割も担っている。
国連の主人公は国家である。主人公は192ヶ国いる。

近年は安全保障理事会の改革が議題になった。インド、ドイツ、ブラジルの3カ国と共に常任理事国入りを目指した。
アフリカには53の国が有り、国連の最大グループであるが、常任理事国がいなかった。
→エジプト、ナイジェリアで割れてしまい、統一候補を出せなかった。

総会での採択において、決議は法的な拘束力を持ったものではない。


国連憲章の中には国連軍の記述がある。
朝鮮戦争の際には、名称のみ「国連軍」ちという状況であった。

PKO活動は国連憲章にはないものだった
総会において第三次中東戦争の際に引き離し部隊を派遣/

平和と安全の維持
開発・環境
個々の人間の尊厳(人権保護)

憲章とは離れてきたが現実にあわせていい方向に動いてきている。
国連が平和の中核としての役割を果たさなければならない。
→ブトロス・ガリの「平和への課題」
カンボジアでのPKOには自衛隊も参加した。その後、モザンビークにも派遣された。

90,91,92年までは国連にとっては追い風だったが、93年のソマリアでは強制力を持った平和維持部隊は失敗に終わった。
旧ユーゴ・スラビア、バルカン半島での仕事も国連に持ち込まれた。(国連はそういった持ち回りが多い。)
国連史における最大の平和維持活動。総数4万4千人を超えたもの。
旧ユーゴでは明石氏は司令官であり、アメリカとの間で難しい状況に陥った。
→アメリカは本格的な空爆を強調。
明石氏は街への空爆は拒否し、戦闘部隊の身への空爆を容認した。
クリントン大統領は国連安保理がもっと慎重になるべきと強調していた。
さらにルワンダの事例はジェノサイドと認定はしなかった。
国連は持っている予算や人員の中で行動すべきである。
その後出されたブラヒミレポートの中では国連で出来ること、PKOが出来ることに関して率直に書かれている。

ルワンダにおいては約80万人の人が犠牲になった。
明石氏は事件の翌年に派遣された。
赴任した首都キガリの教会には、(教会ならば安全だと考え)命を助けてもらうために集まったツチ族の女性や子ども6000人余りが皆殺しされた場所であった。
民族間の憎悪は殺した死体に対してもさらに危害を加えさせていた。

植民地下では当事者であるベルギー人はツチ族を重用した。そしてフツ族を間接的に迫害した。
そして、独立後はフツ族が政権を取り、ツチ族を迫害した。

このような事例はスリランカにも言える事である。
英国はタミール人を重用し、シンハラ人を迫害した。そして現在は多数派のシンハラ人がタミール人を迫害している。

ルワンダの場合、非常に特徴的な事は1994年4月の殺戮が組織的、計画的に行なわれたことである。
大統領機の墜落からツチ族への大量殺害は墜落前からラジオ放送にて「殺戮」を予告する放送が流れていた。
*紛争の中には「相手に殺される前に殺す」という流れが多かったが、ルワンダではそうゆうことではなかった。
*現在、タンザニア、アルーシャにて国際法廷で裁判を待っている。
明石氏が訪問した際には収容しきれない被疑者が数多くいた。3000人の収容人数に10000人以上が収容され、民間の蚊屋にも収容された。
その後、ルワンダにおいては、国民の中で「告白と和解」のアプローチが進んだ。トップの戦争犯罪者は司法の手で裁かれ、多くの人々は真実の告白と和解のアプローチが用いられている。

安保理はルワンダに対して有効な対策がとられなかった。
アフリカ諸国はPKOの増派を要求した。
しかし欧米諸国は人員不足と状況不安を理由に傍観を決め込んだ。
ガリ事務総長は当初は安保理の決定を受け入れたが、20万人を超えると派遣を勧告した。
アフリカの国々にとっては、国連は統一した意思決定があるのではなく、西欧諸国の利害が低ければ関与は少なくなるのかと嘆いた。

ルワンダのポール・カガメ大統領はルワンダの復興に尽力し、現在では大きく復興した。カガメ大統領は国連の不関与を非難していた。
小さな部隊の司令官だったカナダのデレール司令官は、当時何度も国連に増派を要請していた。(一時はカナダに帰国がアル中になってしまった。)その後彼はよい本を執筆した。

その後のPKO活動はアンゴラやリベリアなどで行なわれ、大変成功して進んでいる。また治安やガバナンス分野でのアプローチも進んでいる。
平和構築の考えは我が国の国際協力の視点でも比重が高く、また国連の平和構築委員会でも日本は議長国として頑張っている。
 
現在、国際社会の中で問題になるものはダルフールである。
スーダンでは南部での和平合意は進んでいる。数十年という内戦があったが、現在復興が進んでいる。
しかしながら、西部地域のダルフールでは和平合意も作られては破棄されると言う悪循環になっている。
既に死者が20万人でており、国内避難民、難民は200万人を超えている。
このダルフール地域においてはイスラム系部族と黒人農民との対立が原因。土地の使用や自治権の度合いが論点であった。
当初はアフリカ連合から平和維持部隊が派遣されていたが、アフリカ諸国は貧しいため、兵士への賃金が十分に払えず、また装備も不十分であった。そこで本年よりアフリカ連合と国連の平和維持軍の混合で2万6000人(兵士が2万人、警察が6000人)が派遣されている。
ダルフールのほとんどが砂漠である。
反乱勢力は砂漠を移動して反政府活動をしているのである。反乱勢力の英語は聞き取りやすく、また論理的な意見であった。

ダルフールの問題は難しいが、アフリカ連合と国連が恊働しており、欧米諸国が財政的に支援しているので、ルワンダの悲劇はなんとか回避出来るのではないかと信じている。

PKO活動はよりスピード感が上昇している。またアフリカ諸国は5%台の経済率を維持している。(しかしながら人口増加も2%台であるので1人当たりですと2%台であろう。)
アフリカには多くの資源も有り、先行きは明るいものであろう。

ケニアにおいては、争いがあったがなんとか調停は成功した。ジンバブエではムガベ大統領が権力にしがみついており、少々不安である。
アフリカ諸国では、国連とアフリカ連合の協調によって平和が達成されるであろう。

アフリカは将来、発展の潜在能力が高くある。
日本のPKO参加はアフリカではない。それに比べて中国は多くの警察官や軍人を派遣している。
参加している日本人は女性のNGO職員のみである。

今後のTICAD4を一つの機会として、日本がアフリカの問題を自らの問題と考え、取り組んで行く事を望む。


【質疑応答】
青山学院学生「世界の平和と安全への貢献という観点から日本の安全保障理事会入りはどんな意味があるのか?またスーダンなどの中で憲法9条かで日本は経済支援以外にどのようなことができるのか?」
→粘り強く前向きにこの問題に取り組むのであれば、いつかは実現するのであろう。
コフィー・アナン、ブトロス・ガリの両名は日本の常任理事国入りをすべきだと考えていた。
安保理を25カ国以上に増やすべきではないと考える。
財政的な貢献とPKOを含む政治的な貢献、国際的に多岐にわたる活動を見れば資格は十分にある。
ODAでは残念ながら5番目である。
日本はPKOの参加は82番目であり、早急にこうした状況を解決する必要がある。
これらのハードルを超える必要がある。

→我が国の憲法は前文に見ても国際協力の障害にならない。憲法9条1項は国連憲章と同一である。2項は理想主義であると考えられる。
コスタリカは軍隊を持たないと言われているが、大規模な警察力をもっているし、小国である。
永世中立のスイスでさえ軍隊は持っている。
軍隊は自国の防衛と共に、現在では国際協力も担っている。

横浜市民男性「国連も国会同様、機能不全ではないか?アメリカと国連の対立関係の話しを聞かせて欲しい。」
→我が国の国会と比較されるべきは、他の国の国会である。国連では安保理が動けない場合は総会や事務総長が動く。国連は主権国家と比較は出来ない。国家主権にこだわっている国家が多い中、スムーズには進まない。ただ世界の国家は主権を持っているが、破綻国家などガバナンス能力がない国家がある場合、「保護する責任」があるという認識が国際社会では出てきている。

国際社会では外交儀礼を重んじるべきである。

港南区社会人女性「明石さん男座右の銘をお聞かせ下さい。国連での成功例と失敗例をお聞かせ下さい。」
→座右の銘は「目は遠くを足は地に」。自分の掲げる目標に対しては。自分の事に関しては過大評価と過小評価をしてしまう。自分を冷静に見る事を心がけている。
→成功と失敗は自分とが努力をしても、外部状況によってどうしようもならないこともある。
→国連では批判をされても反論は出来ない。歴史が判断してくれると思う。
→嬉しかった事はカンボジアの総選挙の際に、世界中の新聞社が失敗を予見していたが、最悪の事態に備えて、準備を進めた。カンボジア国民が選挙に晴れ着を着て参加してくれたとき。
またイラクの湾岸戦争直後に北部クルド族の難民キャンプを訪れた際に子ども達が歓迎の意を込めて草花を車に投げてくれた時。
→苦しい時はあったが上司や同僚に恵まれていた。どんな国籍やどんな民族であっても仲間は見つけられるし、また同じ国民でも意見のあわない人はいる。国籍や文化を離れて最良の仲間を見つけて欲しい。
若者は外に出て欲しい。
アイデンティティと誇りを忘れないでほしい。
[PR]
by smile-and-happy | 2008-11-11 20:23 | その他
<< Beyond the border APMUN(アジア太平洋模擬国... >>


スズキのブログ(日本語)だよ。個人のブログです。英語版はリンクからたどってくださいね。

by smile-and-happy
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
Blog tools
カテゴリ
最新のコメント
そうですね。私もかつては..
by smile-and-happy at 17:17
>助け合う農耕村社会..
by みやた at 10:33
>私は、基本的には中道左..
by みやた at 10:33
>社会問題とは何か、そし..
by みやた at 10:28
よういちさん、ありがとう..
by ふくしま at 01:45
>わださん もともとの..
by smile-and-happy at 15:59
・日数もしくは人数が増え..
by わだ at 02:29
みやたさんのおかげで、安..
by smile-and-happy at 23:32
たまたま見たらでしたが、..
by みやた at 21:16
わせけんはみな元気に溢れ..
by smile-and-happy at 02:37
LINK♪
その他ブログなど
英語版ブログです。
Making the value in my own way

歌詞とかかつて書いてました。
My Heart, My Love

GREEなつかしい。
GREE

mixiですね。
mixi

(笑)
だってもぎがすきだもの♪
もぎこく的一言を綴ってます

その他リンク
学生時代に理事やってました。
Youth, Development & Peace Japan Network

会員やってますエコリーグ
Eco League

自分、カフェ(的空間)やってます。
Cafe de Global Cooperation

私が運営してる模擬国連のウェブサイト
model United Nations

□もぎこっかー
Alisa's Blog

Riona's Blog
Masataka's Blog
Taro's Blog
Miyata-san's Blog
Keisuke's Blog
Kyoju's Blog
Yukimin's Blog
細田さん♪のブログ
kyame's Blog
Rokky's Blog
Naoko's Blog
Kou-san's Blog
Nami-chan's Blog
Womatsu=san's Blog
Yoshi-san's Blog
Mari's Blog
Iwamocchi's Blog
Tossy's Blog
honorine's Blog

あーちすと
My Sister's Blog

にゅーす
Al Jazeera

UN Documents

Tokyo Foundation


記事ランキング