くにけんの秋会議のために前期のうちから軽くリサーチをしてましたが、その中で面白かったアメリカの食糧援助のついて書きます。
アメリカの食糧援助というか人道援助といえば、8月に行なわれたUNHCRの報告会でも外務省の人道専門の部局の方が「アメリカはいろいろと批判されるが、これまでに多くの人道的貢献をして来ていて、その国際機関などへの拠出額などの貢献ではこれまで世界で何百万人も救って来ている」とおっしゃってました。
確かにそれは事実なんですね。
UNDP、
WFP、
UNHCRなどでは米国はダントツなわけなんです。
でもこれにはからくりがあるのですよ〜
アメリカでは食糧援助に関する法律というものがあって、食糧援助(穀物限定だったかな?)は全てアメリカ国内で生産されたものに制限されてるんですよね。
かつ、アメリカは世界最大の食糧援助国。
それってどうゆう事だと思いますか?
普通に考えると、アメリカで生産するより、途上国で生産したものをドルで買って支援した方が援助量は多いわけなんです。
でもアメリカは国内で生産したものを援助すると制限をしています。この結果、アメリカではこの援助のための食糧生産のために従事する人間(生産や輸送など)が数十万人いると言われています。
しかもアメリカ国内で過剰に農産物が生産された場合、はけ口としての「食料援助」プログラムを利用しているのである。そうして過剰に生産された農産物は国際市場の価格を下げて行くのである。
援助がすでにアメリカでは大規模な雇用創出とセーフネットの一つになっているのですね。
つまり援助と言うなのひとつの市場形態が構築されているんですよ。
世の中には甘い話しはないんですよね。
さて、ここ間での話しなら別にコラムにする必要も特にないんですが、問題はここからです。
アメリカの食糧事情と言えば何でしょうか?
遺伝子組み換え・・・つまりバイオテクノロジーですね。
それが援助物資にも利用されている事は容易に想像がつくでしょう。
ただそのバイオテクノロジーはまだ世界的に受けいられてはいません。
例えば、アフリカのザンビアはアメリカからの食糧援助を上記のバイオテクノロジーを利用した作物と言うことで拒否しました。
またバイオテクノロジーの作物は田畑に二次利用されるとその土壌を特質なものにすると言われています。
ここで食糧支援の問題に立ち返って考えると、我々は何をすべきなのでしょうか?
援助を望む飢餓状態を救うために支援を優先するのか?
長期的な視野をもち安全性を追求すべきなのか?
どちらも行なえる体制にしなければならないのでしょうが、現状はそうはいきません。
国家の枠組みにおける外交は綺麗ごとではすまないのでしょうかね?