La Patata Dolce



人間の安全保障とICC(国際刑事裁判所)

東大駒場の勉強会に出てきました。

<東大の学者さんのプレゼン>
□人間の安全保障によるそのための平和構築
・日本の新ODA大綱と中期目標
→2003年のODA大綱に「人間の安全保障」が明記される
・人道支援と開発援助のギャップを埋める平和構築
・開発援助の応用としての平和構築:暴力の悪循環から平和の好循環へ
→非暴力的アプローチ

□平和と開発の架橋概念:「人間の安全保障」
・UNDP人間開発報告書(1994)
→社会規範の提示
・積極的平和(Galtung)
→構造的暴力・文化的暴力の排除
→恐怖からの自由、欠乏からの自由

人間の安全保障とは積極的平和と人間開発がともに存在する分野である。

□「人間の安全保障」・・・
一人ひとりに注目し、個人の生存・生活・尊厳を脅かす脅威への取り組み
→具体的には貧困・紛争・組織犯罪・薬物・飢餓・難民・感染症・その他人間に対する脅威を市民社会(NGO・ボランティア・企業)、国家(ODA)、国際機関(人間の安全保障基金)などが様々なプロジェクトと対話により克服し、ゾゾク可能な社会発展に繋げるものである。

□(広義の)平和構築
紛争の発生/紛争の再発
     ↓           ↓
平和創造(調停)
     ↓
平和維持
*任務の拡大・・・国づくりへの準備(民間部門)
     ↓
復興支援(狭義の平和構築)
→紛争予防(再発の予防)
*開発援助の応用

□平和学と開発学のコラボレーションによる平和構築学の再構築
連想される4つの研究分野
・紛争管理ガバナンス
・紛争原因分析と紛争原因緩和のための経済・社会開発
・ギャップを埋めるシームレスな人道・復興援助:DDRなど
・長期的な展望の人間開発

*人道支援・・・生命を維持するために与える活動(自立を阻害)
*復興援助・・・自立した生活確立のための支援

□暴力の悪循環から平和の好循環への逆循環への切り口の探求とその方法論
ex.カンボジアの事例
・ポリポト、ロビンフット説
→現地の裁判所が信用できなく、ポルポト派に訴えると、ポルポト派が政府に圧力→正義が行われる
・人権を侵害する国連とストリート・ジュスティス
→選挙妨害のための暗殺を予防するため国連が高圧的な特別警察を作る
→法の支配がない上に訴えることができない。

□法の支配のアプローチ
・移行期正義(transitial justice):ICTY,ICTR,TRC
・和解のための正義
・紛争予防:抑止と復習の連鎖切断
・法整備支援、司法支援
・自立のための市民社会育成

□ICCの意義
・国際法と国内法の接続
・人間の安全保障の方法論からProtection(被害者の保障)とempowerment(国内法制度の整備と人材育成)

<アムネスティより>
□「平和と人権」

人間の安全保障で大きな脅威とは・・・
→免責された罪=ジェノサイド
→免責されたものは犯罪を繰り返す

□ICCの略歴
アドホックな法廷
・旧ユーゴ
・ルワンダ
・シエラレオネ
*これらは例外的でありほとんどが責任を問われていない

1998年7月 ローマ規定
→ICC(初めての常設刑事裁判所)

□管轄
・2002年7月1日以降の締約国における犯罪及び締約国国民の犯罪
・安全保障理事が付託すればどこで起こった犯罪であろうと管轄権が与えられる。

□ICCの抑止力
常設であることから抑止力が生まれる。
ローマ規定がどのようuに規定したか?
→ICCに世界で高水準な司法能力を!
以上により、
ICCはその作られたことだけでなく、国際司法を確立したと言える。

補完性の原則
→国内の裁判所に対応能力がないと判断された場合、ICCは介入をする。
(本日現在締約国は100)

□米国の立場
ICCへの反対はU.S.1カ国のみ
→政治的動機による起訴の可能性がある。
*これに対しては確固たる証拠がない。

U.S.案  安全保障理事会の支配下に入るべき
多くの国の反対。独立性の重要性

ICCがイラクでの米兵の人権侵害問題は管轄外と意見表明
結果、U.S.はスーダンのダルフール問題のICC付託に反対せず。

□ICCが取り扱ったこと
6つの逮捕状が出てる
1.D.R.コンゴ
犠牲者300万人 レイプ、殺人、奴隷
*トマス・ルガンパ民兵「コンゴ愛国者連合」、子ども兵などを使用

2.スーダン(ダルフール)
2005 年3月ダルフールの事態
ICC検察官に付託

3.ウガンダ
神の抵抗軍 拉致→殺害、兵士にさせられる、レイプ

□ICCの役割
世界的な司法機関→しっかりと規準がある

□ICCの障害
1.複雑
→証人の確保と安全保護が難しい。

2.政府が協力拒む
SCの付託に反対

3.ムセグニに大統領が自ら付託
*大統領が犯罪者の保障
以上の3ツ事項の共通点は・・・
人間の安全保障への脅威
→国際社会のICCへの支持が必要

日本人担当者と話してみて・・・
2007年にICCに加盟するそうです。

「NGOとして現地を見る」
@カンボジアのケース
和平後に「人間の安全保障」悪化
→「弱肉強食」の横行

□必要条件
・融和(reconciliation)
・刑罰(impunity)→罪には罰
・人員損失からの復興

→一貫した方秩序の形成が必要
弱者を強者から守る

□内戦が続いた結果・・・
暴力の文化
・家庭内暴力
・民族浄化
・人身売買
→ICCに抑止を期待

□カンボジアの活動
カンボジア人間開発協会(ADHOC)
→カンボジアの人権団体
・・・警察幹部への人権教育で効果的な結果を導く

917年のフンセン氏のクーデター時に、フンセンの民兵から追われた政権側の人間をADHOCが守る。人権教育で顔見知りだったフンセン側の人間と交渉し、多くの人間の命を救う
→対話の重要性

<Q&A>
Q:イラクの米軍の人権侵害の案件にICCが関わることができないことについての補足説明

A:1999年のローマ会議に戻る。
ICCの概念を巡る論議。
→普遍的管轄権を持つべきか?
(「ピノチェト大統領事件」が契機)
結果・・・原則には含まれなかった
管轄権は、
・締約国とその国民
・安全保障理事会からの付託された案件

*だからといってjusticeが終わるわけではない。
→ICCと国内裁判所の関係
国内裁判所が普遍的管轄権を主張することも可能
またイラクのアルグレイブの裁きもICCがあったから(国際的潮流の存在が)アメリカ国内でも問題としたのではないか?

Q:「人間の安全保障」とICCについての補足説明

A:人間の安全保障の対象の両輪は、貧困と紛争。
紛争・・・人道的介入。responsibility to protect
→カナダなどが主張
しかし中国やインドなど貧困の問題を抱える国家は「内政不干渉」を唱え反対

→法:強制力がないと意味がない
ex.ニカラグアへの米国の軍事介入へのICJの不当判決
→無視しても良いという雰囲気
→戦争に負けないと裁かれない

今後「人間の安全保障」は国連改革においても一つのキーになる
ICCは国際社会の新しいシステムとなる

Q:公正な裁きは必要か?
   伝統的な真実と和解の方が良いのではないか?

A:「人間の安全保障」、平和、開発、Justiceは関係している。
1.犯罪者が裁かれること
→正義の実現
2.真実がわかること
→裁判などの過程により
3.広義の意味での賠償
→金銭的問題ではなく心理的満足に重点をおく

和解は重要だが、和解は強制できない
「公正さ」は弁護権が保障されなければならない
・証拠の開示
・言語的なサポート(翻訳家の採用)

Q:NGOから見た軍隊と援助。

A:紛争地における援助の選択肢
1.自力に行う
→ハイリスク、メンバーに犠牲者が出ることもある。地域のコミュニティーに守られながら行う。
ex.国境なき医師団
2.やや安全なところで活動する
→そこに向かうまでの現地人に危機が及ぶ可能性
3.軍隊に守られながら行う

Q:日本の法学生に望むこと

A:法律家としての役割を考える。
・国際的感覚
・現場をふみ自分のキャリアを作る
→国益にとらわれない「人間の安全保障」
→NGOに期待

□私の思った疑問
・ICCの締約国内の犯罪に介入するときの裁判にかけるかどうかの具体的な線引きは決まっているのか?また個々に判断するとすれば誰がそれを行うのか?
・ICCによる抑止のためにはICCの認識の拡大が必要かと思う。現在、公的・民間のレベルで何かそのための活動は行っているのか?
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by smile-and-happy | 2006-06-02 03:37 | 記録
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