La Patata Dolce



学生、若者は世界を変えられるのか?

「ぼくたちに世界は変えられるのか?」

多くの学生団体が存在し、活動する国、日本。
諸外国でも、国際協力活動に従事する若者はいる。
ただ、団体数で考えれば、日本は関わる人数に比べて格段に多い。
また、プロのNGOと協力関係を持って活動する学生団体は少なく、協力関係を築いているといってもNGOの資金調達を担っている場合が多い。
今日は学生や若者の可能性や課題についてまとめてみる。

学生や若者は駒なのか?
私はTable For Twoが好きじゃありません。
社会正義を軸としていない。飢餓という課題に対して、構造的に取り組んでいない点もありますが、なによりも、学生を動員して資金調達をしている点が好きになれない。
(なお、好きじゃないだけで、嫌いな団体ではない。)
もちろん、主旨に賛同して活動をしているのであればいいですが、ウェブサイトにいっても具体的な成果よりも資金調達の仕組みを強調していて、特にビジョンがよくわからない。
何よりも、日本で行える国際協力は「寄付」という概念をよりいっそう助長させている点が好きになれない点。

就職活動や自分のために他人の人生に干渉するのは辞めてほしい
たまにイベントなどに参加すると、かっこいい言葉を連発する若者にあう。
「世界は変わる」「おれたちもできる」などなど。
もちろん、世界を変えられると認識することは大切だけど、たまにとても薄く聞こえる場合がある。
行動の背景に理念や思いが感じられないからだ。
自分たちの思い出作りや楽しく感じるために活動を行っている人がいることもある。
(思いを話すことは重要だけれども、思いを話すというハートフルな環境ジャンキーになっている人も多い。)
場合によっては、国際協力活動を就職活動のときに話すために参加する学生もいる。
参加の動機の一つとしてそうした要素があったとしてもそれはよいとは思う。ただ、それが主要な動機であるととても幻滅する。
国際協力は他人の生活を大きく変えてしまう。
自分のための活動に他人を巻き込まないでほしい。
海外ボランティアやスタディツアーについても、結局、その目的がどこにあるのか、疑問を抱くようなものは多くある。
国が違っても、同じ人間。相手のことをリスペクトしていれば、軽薄な行動や発言はでないはずなんですけどね。
途上国の人々は、日本に生きる若者や学生の青春の1ページやfacebookの写真を飾るために生きてるんじゃない。

日本人が目立つため?学生が日本で本を出すため?
国際協力活動をしている学生が社会に目立つことがある。
(その背景には、そうした学生を売ることで社会の注目を浴びたいといういろんな人の思惑もあるだろう。)
活動を行っている人の中にも、思いを持って活動している人がいることは私も理解している。
でも、そうした人々が社会に名が売れていくことで、国際協力を行うことで名を売ってやろうと思っている人が現れたり、名を売ることに価値が置かれるようになっているようで非常に危惧をもっている。
私は、学生時代に一緒に活動をし、今も活動を続けている国内外の仲間のことや国際会議などで日本に来日した途上国で厳しい状況下にも関わらず行動している人々の話、そうしたものを思うと、自分の名前を社会に売ることはとても馬鹿らしいし、そんなことよりも大切なことは社会を変えられたのかどうかだと思う。

世界を変える?How?
日本の国際協力は、そもそも、海外での活動やそうした活動を支援する寄付というものに大きなウエイトが置かれているように思える。以前、私は休暇を取って、オーストラリアのブリスベンで行われたVision Generation(ワールド・ビジョンのユースグループ)が市内で行った援助削減反対デモに参加した。100人以上の若者が参加していたし、町中を歩く人々も非常に好意的だった。
その一方で、日本では、国際協力は日本社会とは関係のないようなものという位置づけになっている。本当にそうなのだろうか?

参考 オーストラリアの学生によるプロテスト活動

社会変革のロールモデルが不在なままの成長した日本の若者
日本で活動する学生団体の学生や若者を見ると、本気で課題の解決を考えているのかわからなくなることがある。自分たちの行っている活動が、課題解決をするうえで、どの辺りに位置づけられているのかをしっかりと認識できていないことが多い。にもかかわらず、簡単に「世界は変わる」という言葉を使っている。
欧米の学生でも、途上国でボランティアやインターンをする学生は多くいる。ただ、彼らの場合、途上国での活動だけではなく、本国での啓発活動、ロビーレターの提出、資金調達、国会議員への働きかけ、フェアトレードを導入するように企業や大学当局への働きかけなど、活動は多岐におよぶ。
日本では、このうちの本国での社会に働きかけることで変革を達成するという感覚が著しく欠如しているように思う。
例えば、フェアトレードにかかわる学生団体の多くは、自分たちでフェアトレード商品を輸入したり、購入して再度販売するということに特化しており、企業への働きかけや大学への申し入れなどは行っていない。
途上国の教育に関わる学生団体の多くも寄付金集めが一般的で、日本政府のODA(政府開発援助)のうち、基礎教育支援に充てられる金額の増加のために働きかけているグループはほとんどない。
こうした背景には、欧米や韓国、フィリピンなどと比較した際に、日本の過去の歴史が民主主義制度を人々が運動を通じて獲得していない点、社会運動がテロリズム化した学生運動のイメージが強く特に政治運動に対してネガティブなイメージがあること、ワイドショウで繰り返される政局と政治家への期待値の薄さ、そして、特に若い世代は自分たちが行動することで社会変革を経験していないことがあると思う。それに加えて、多様な人々が対話し、活動源となるオフラインコミュニティがないことも大きな課題だと思われる。
こうした状況下において、いくらSNSが発達しても社会変革のうねりは生まれにくい、TEDなどでアイディアが紹介されても、欧米環境で機能することをそのまま直輸入してもうまくいかないものなのだ。

学生が悪いんじゃない
こうした環境だからこそ、NGOなども社会変革を通じた国際協力よりも、寄付を通じた資金調達とそれによるプロジェクトの実施を通じた国際協力を押し進めることになる。
国際協力を寄付ベースで見た場合、学生よりも社会人が対象となる。
よって、国際協力NGOは学生を主な対象者として扱わないので、距離が生まれる。
学生側としても、国際協力NGOが行っている活動を寄付集めと集まった資金での現地での事業という認識が強いため、それであれば、自分たちでイベントを行って資金を集めればいいと考え、学生NGOを立ち上げるという経緯があるのではないかと感じる。
ただ、考えてほしいことがある。
日本は経済的にも世界有数の国であり、ODAは世界上位10カ国に入る。
その国の政策が変わるだけで、世界には大きな影響を与える。
そして、途上国の人々がどんなに声を上げても、日本の政策決定には届かない。

「先進国の人々が世界の貧困と不公正の克服に最も貢献できること、それは、先進国のシステムを変えることだ」(カナダの国際協力NGO代表者の言葉)

理想の社会と国際協力
「世界を変える」という場合に、「何を目指して」変えるのかを考えるなしに行動はできない。
学生や若者は頻繁に「世界を変える」という。
では、何を目指すのか?
そこには、自分たちが生きていきたいと思う社会像があるはずだし、その社会像は国や地域が異なっても共通する理想の社会像であるべきだ。その理想の社会を達成するための行動を「国際協力」だというべきだし、生まれた場所が違ったからといって、その目指すべき社会像にかわるものはないはずだ。(国内と海外の貧困、どちらも取り組むべき理由はここにあると私は考える。)それは、国内外という人為的なラインを超えた、自分と他者との関係をどうするのかという認識論だと考える。
そして、その上で、一つのキーとなる言葉が「社会正義」だと私は思う。
日本で「正義」という言葉を使うと、個々人によって異なる意味合いを持つ言葉という認識であったり、イデオロギー的意味合いに染まった言葉という認識を持っている人が多いように思うが、社会正義は本来的に、普遍的であって、誰もが共通するして抱いている認識であると私は理解している。
例えば、アメリカにおける黒人差別問題や先住民の権利獲得運動は「社会正義」の実現を目指している活動といえる。不条理に対して、それを正しい状況に戻すことだと私は理解している。

思いを持って行動する
「社会正義」がキーになると考える理由。
その最もたるものは「思い」をもって行動するということだ。
これまで、海外の若者と交流をしてきた中で感じたこと、それは問題解決に対する思いと情熱の強さだ。社会的な不正義に対する明確な立ち位置の表明でもある。
日本では、飲み会のときなどしか、こうした思いや自身が行動する背景を語る機会がないこともあって、社会正義的な感覚が見える化されることは少ない。また、こうした思いの共有が少ないためにそれが中毒的に思いの共有しかせず、行動が伴われない場合もある。
対話空間が少ないために、経験だと思い込み、「途上国に行ったことが無いから自分は問題意識が強くない」と感じている人も多い。
私は、現地に行くことよりも、社会的な不正義を直接・間接的に目の当たりにしたときどうハートが感じたのか、それを受容できるのか、変えたいと思うのか、そういったことを話し合う環境があることが何よりも重要だと考える。

学生や若者の可能性
そのうえで、私は学生や若者は可能性があると思っている。
コミュニティ機能が不十分の中、学生はサークルや部活動を通じて、コミュニティをつくることができる。そして、そうして発信のチャンネルをもつことで、社会に対してムーブメントを広げることができる。ムーブメントを広げる上で、デジタル環境に強いということも利点の一つである。
ただし、SNSなどは優秀なファシリテーターが不在の場合、憎悪を増大させる機能も持つため、オフラインのコミュニティをベースにした上での、発信と展開であるべきだと私は思う。
そして、学生や若者のときに社会を巻き込むことで変革を経験した人々が増え、そうした人々が歳を追うごとに社会の指導層になること、それ自体は社会変革に近づくことだと私は考える。
そして、やっぱり、私は学生や若者には可能性があると信じている。
だから、こんな長文を書いてしまうんだと思う。

ユース団体に期待すること<加筆>
こういう日本という環境だから、進学した大学や生い立ちで自分の可能性を決めつけちゃう人が多い。
国際協力にかかわらず、学生や若者のユース団体には、構造は一人ひとりが行動することで変えられること、自分たちの将来は自分達がそれを望んで行動することでかわっていくことをしっかりと伝え、一人ひとりがぞれぞれの生き方を誇れるようにしてほしいと思います。
日本では、できるかできないか、スキルやキャパという言葉でものを考えがちです。でも、人間の歴史を見れば、キャパ以上にどういった社会を目指したいのか、今の現状を受容できるのかということをバネに行動し、変化をつくってきた人が多くいます。
公民権運動のキングズ牧師はできるかできないかで行動していないと思います。変えたいという気持ちで行動したのだと思う。
活動に関わる全ての人に価値を提供し、よりよい関係を作っていく、そうした活動の繰り返しで世界を変えていってほしいと思う。
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by smile-and-happy | 2013-06-17 00:20 | コラム(その他)
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