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La Patata Dolce



【記録】アジアのグローバル化促進のための女性力の活用

アジアのグローバル化促進のための女性力の活用と題する国際シンポジウムに午後のセッション2のみ参加してきました。以下備忘録です。

『アジアのグローバル化促進のための女性力の活用』
第2セッション 女性力強化の取り組み
◉韓国における女性の社会進出の背景(森山新/お茶の水女子大)
韓国では、日本と同様に儒教の影響を受けて、男尊女卑の文化があった。
しかし、近年、欧米の制度を積極的に取り組み、「先進」的な考えを取り込んできた。
その中には成功もあり、失敗もあった。政府主導のトップダウンと草の根からにボトムアップの両側面があり、女性の地位向上が実現しつつある。(日本よりも進んでいる)

朝鮮時代(500年)に、儒教、特に、女性は男性に尽くすという面が強調され、日本の占領下でも、そうした側面は強化された。独立後も父兄主義が継続された。
社会でも、男子を優遇する文化が残った。産婦人科でも、男児の方がより歓迎された。
1980年代に女性運動が萌芽する。パク政権下では軍事政権であり、抑圧されていたが、パク政権が崩壊した後、様々な運動が生まれ、1987年には、韓国女性団体連合が生まれ、その後の活動のプラットフォームになる。1990年代、民主化後の金泳三政権成立とともに活動は形を変える。それまでは、民主化運動の一つとして活動をしていたが、その後は、女性の地位向上に特化した活動となり、定年に関する差別や国会議員への女性の促進などを勝ち取った。国籍法も父母両系主義へと変更された。それまでは、夫の国籍になっていた。法曹界などで、女性の積極的な登用がなされた。選挙でも、比例代表の50%、選挙での30%となるように法律が作られた。(クォーター制)ただ、実際の権力は男性長老議員が握っているため、そうしたところとのすり合わせがあった。
*韓国には女性省とも言える、女性部がある。初代大臣には、韓国女性団体連合メンバーが務め、後に首相職も務める。

こうした動きの根底には、女子大、特に、梨花女子大の役割があった様に思える。初めて、法学部を作り、その後の政界に多くの卒業生が輩出された。運動のボトムアップとトップダウンを支えた。日本では、女子大で法学部があるのが、京都女子大のみ(2012年設立)であり、共学の大学でも女性の法学部では、女性の割合は少ない。権利を主張でき、政治にリーチできる人材を制限しているのではないか。

◉Korean Women's Transnational Activism(Elli KIM /梨花女子大)
韓国社会内部における移民や結婚して韓国社会で生活する女性の問題、移住した女性に即した問題について話す。韓国では、結婚を通じて移民女性たちは力をもっている。
韓国では、女性と共に男性も変わってきた。例えば、服装などでは、性別分業的な価値観から、より曖昧になってきている。
最近では、低所得層の男性は結婚ができず、結婚相手を東南アジアに求めるという側面、女性たちも一部の女性の社会促進の一方で、非正規職業のほとんどが女性という問題もある。企業の管理職における女性の割合は少ない。
韓国内における移住女性が増えることで、移住女性のエンパワーメントも重要になっている。韓国社会に入ってくる際に、父兄社会に入ってくることになるが、韓国の女性はそうした価値観に距離をおいている。よって、移住女性が父兄社会に取り込まれることは、逆行につながるためにエンパワーメントが必要。
*90年代を境に、女性と外国人男性の結婚が低下し、男性と外国人女性の結婚が増加した。国家政策として行われた側面もあり、近年の結婚10件に1件は国際結婚であり、労働力の3%[聞き取り自信なし]が移民だと言われている。
エンパワーメントは一方的なものと捉えがとだけれども、韓国人女性活動家も移民女性との出会いの中での変化にも着目したい。当初は、移住女性たちが住める場作りを促していたが、2006年ごろからは移住女性が主導する動きもでてきた。当事者運動へと変わってきた。
政府の関わりとして、1990年代は結婚できない農村男性への対処として国際結婚がだされ、2003年からは少子化対策としての位置づけとなった。2006年からは家族に入ってきた移住女性の問題を政府は扱うようになった。これは移住者のランク付けとも言える。
韓国の女性活動家と移住女性の関わりの中で、両者の社会の違いの克服と相互のアイデンティティの再定義にも繋がっている。
関わりのプロセスは、まずはおしゃべりからはじまる。助ける-助けられるという関係ではなく、対等な関係からはじまっている。この根底には、韓国と東南アジア諸国の不平等な関係からの脱却とアジアの中での韓国という再定義につながる動きでもある。

◉Women in science and engineering, and technology (Aileen PARK/梨花女子大)
*AiLeen氏は、フィリピン出身で夫が韓国人。
韓国科学技術院における女性の役割を話す。

ICT(Information Communication Technology)による発展する現代社会。
Knowledge based economyはOECDの定義がある。情報知識に即、アクセスができ、こうした経済では、知識を作り、活用し、発展する。
Knowledge Base Economyは、国境を超え、発展している。より持続可能な経済成長を求める際にも、アクセスが平等にあることが重要である。国連大学の高等研究所の調査によれば、女性の参画によって、knowledge based technologyが達成される。
韓国では、2002年に、科学技術分野における女性の育成に関する法律が成立したことが大きい。
法律やプロジェクトの開始と共に、拠点施設を国内に複数設置した。
この結果、女性の博士課程進出者や研究所の女性職員募集が増加した。

梨花女子大は、こうした中で、韓国最大の女子大として、重要な役割を担ってきた。
卒業生は韓国初の女性宇宙飛行士になった。

韓国は初の女性大統領を選出したが、この後どうなるのか?

◉日本の大学におけるグローバル人材の育成-お茶の水女子大学の場合-(河村哲也/お茶の水女子大)
グローバル化する世界の中で活躍できる人材の育成が急務であるという文科省(担当幹部)の認識がある。
企業側からも、これからの社会に、国境を超え、専門性をもち、創造的思考をもつ人材の重要性が求められている。
国際は国を中心に考えるが、グローバルとした際に、人を中心とする。青山学院では、地球規模の課題の解決に貢献し、単に英語を話せるだけでなく、人と痛みを分かち合える必要がある。
そのため、留学やボランティアなど、現地でのフィールドワークが重要。

日本で留学希望者が減少している背景には、就職を目的とした大学スケジュール、経済的な理由、単位認定などの制度、サポート体制に対する認知などがある。

*大学の域を超え留学を促す大学として、北海道大学、東北大学、お茶の水女子大、国際教養大学、国際基督教大学、早稲田大学、立命館アジア太平洋大学などが文科省から指定される。

お茶の水女子大は、世界で活躍する女性の育成を掲げている。
グローバル人材育成プログラムとして、学内の仕組みを変えてきている。
お茶の水女子大は、奈良女子大学や津田塾大学他大学を巻き込み、グローバル教育を促している。

◉感想
アジアの中の日本と置き換えた場合、日本では、アジアの日本と再定義することが、女性だけでなく、男性も、そして、社会もできるだろうか?
日本も女性は優秀なので、女性が進出できる環境を構築しなければ、頭脳流出と崩壊が進むのではないかと思う。
女性の活躍という際に、より具体的なイメージを描くことが必要だと思った。

◉どうでもいい感想
ハングルの女性の声は心地よい。
by smile-and-happy | 2013-01-26 21:28 | 記録
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